今回は帰化申請と年金について解説していきます。
日本に定住している外国人が、日本国籍を取得することを「帰化」といいます。帰化には、国籍法第5条に定められた要件を満たすことが必要です。その中には、法令を遵守することや日本の社会通念や文化に理解があることなどが含まれます。(帰化申請をするうえで満たす条件についてまとめた記事)
帰化をすると、日本の社会や経済活動に身を置くことが容易になります。例えば、外国人と比べて就職や住宅購入、ローンの借入などが容易になります。しかし、帰化にあたり、旅券法に基づく「本籍地証明書」が必要となります。この証明書を取得するには、帰化前の外国籍の国の領事館で発行を受ける必要があります。
また、帰化した人は日本の年金制度に加入することができます。ただし、加入するためには一定の要件を満たす必要があります。例えば、年齢が20歳以上であること、日本国内に住所を有し、60歳以上の場合は10年以上国内に居住していることなどです。
ここで年金とは?
年金とは、国民年金や厚生年金等、国が運営する社会保険制度の一つで、労働者が年金保険料を納めることで、老齢、障害、死亡等の場合に、一定の給付金を受けることができる制度です。
年金には、国民年金、厚生年金、共済年金等があります。
国民年金
国民年金は、日本の社会保障制度の一つで、国民全員が加入することが義務付けられている年金制度です。15歳以上の国民に対して保険料を支払い、年金を支給する制度で、老齢、障害、死亡などの状況に応じた年金があります。
厚生年金
厚生年金は、企業や自治体などが従業員に加入させるための年金制度であり、加入者が高い収入を得ている場合に適用されます。保険料は、雇用主と従業員が折半して支払い、退職した際には厚生年金が支給されます。また、退職後も定年まで保険料を支払えば、引き続き加入することができます。
共済年金
共済年金は、公務員や教育職員など、特定の職種に従事している人が加入する制度です。保険料は、加入者と雇用主が折半して支払い、年金を支払うための共済積立金を積み立てます。退職後も加入が継続され、年金が支給されます。
以上の3つの年金制度は、それぞれ目的や対象者に異なりがありますが、国民生活に必要な基礎的な社会保障制度として位置づけられています。
年金制度に加入すれば、将来的に年金が受け取れます。ただし、年金は現在の収入に依存して減額される場合があるため、十分な収入が必要です。さらに、外国人の場合は、国際条約などによって日本以外の国でも年金を受け取ることができる場合があるため、受け取る方法なども確認する必要があります。
帰化申請で年金加入している事を証明する書類
- ねんきん定期便
- 国民年金の納付書(1年分)
- 被保険者記録照会回答票
- 社会保険料納入証
- 年金ネットの月別ページの印刷ページ
上記の書類のいずれかが年金加入状況を確認するために提出する書類です。
免除制度対象の人は?
所得が少ない等の理由で、年金の納付を免除されている人がいると思います。年金加入は免除されるので、上記の提出は省略して大丈夫なのではと考える人がいらっしゃるかもしれませんが、それでは帰化申請における生計要件でひっかかる可能性がでてきます。そういった方は1年間の納付実績を作ってから、申請に臨みましょう。
ただし、学生の特例納付の期間がある方はその期間の分の年金は納付しなくても帰化許可がでます。
帰化申請と年金制度については、日本の社会活動に参加するうえで大切な点です。申請や手続きについては、行政書士に相談することをおすすめします。
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