普通帰化と簡易帰化の違いについて

今回は普通帰化と簡易帰化の違いについて記載していきます。

普通帰化とは？

一般的な帰化のことを普通帰化といいます。もともと外国で生まれ留学、就職、結婚などの関係で日本に滞在することになり、そのまま日本国籍をとることを普通帰化といいます。
→普通帰化について解説した記事

簡易帰化とは？どのようなケースが要件？

簡易帰化も普通帰化と同じで申請が通ると、日本国籍をとることができ様々な権利が与えられます。この簡易帰化は、普通帰化と違い様々な面で条件が緩和されています。下記に詳しく記載します。

1日本国民であった者の子で引き続き３年以上日本に居住し続けたもの
2日本で生まれた人で3年以上日本に住所または居所を有し、父母(養父母を除く)が日本生まれの人
3引き続き10年以上日本に居所を有する人
4日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人
5日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人
6日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する人
7日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
8日本の国籍を失った者（日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。）で日本に住所を有するもの
9日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの

1日本国民であった者の子で引き続き３年以上日本に居住し続けたもの

ここでいう日本国民であったものというのはもともと、日本の国籍をもっていたが、外国籍に国籍を変えた人のことを指します。なので元日本国籍をもつ親の子供などが今回のケースに当てはまります。本来であれば５年以上の居住条件が求められますが、ここでは3年以上に条件が緩和されています。

2日本で生まれた人で3年以上日本に住所もしくは居所を有し、または父母(養父母を除く)が日本生まれの人

これは国籍法6条２項の条文に記載している内容のもので、2パターンに当てはまる場合に住所要件が緩和される内容になります。

❶日本で生まれた人で3年以上日本に住所もしくは居所を有する場合　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この条件にあてはまる方は５年以上引き続き日本に居住しなければならないとする、住所要件が３年に短縮されています。また生計要件も緩和されます。それ以外の要件は緩和されません。能力要件は緩和されないので、18歳以上かつ、本国で成人を迎えている状況でないと帰化申請できないです。(例えば日本生まれで12歳の子供など帰化は不許可がでます)

❷父母(養父母を除く)が日本生まれの人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この条件に当てはまる人は主に在日３世のことを指しています。この条件では居住要件のみが緩和され、それ以外の要件は緩和されません。　　　　

3引き続き10年以上日本に居所を有し、就労期間が１年以上のもの

通常の帰化であれば５年以上住んでおり就労期間も３年以上必要です。ここでは居住期間は長いですが、就労期間がみじかくなってるいる点で要件が緩和されているといえます。

4日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人

日本人と結婚し、３年以上日本に居住している状態です。居住期間が３年で済むという点で要件が緩和されています

5日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人

日本人と結婚して３年以上たち、日本に１年以上居住する。これは、もともと外国で結婚していた方がその後日本にやってくるパターンを想定しています。居住期間が５年から１年に緩和されています。

6日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する人

両親が先に日本国籍を取得しその後に、子供が帰化するケースを想定しています。
このケースでは居住要件が緩和されています。

7日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの

父または母が国際結婚にて日本人と再婚し、その再婚相手の日本人（義理の父または母）と、未成年のときに養子縁組をした外国籍の方が当てはまります。

この場合は５年以上居住しなければならないところ、1年で済んでいるので居住要件が緩和されています。

8日本の国籍を失った者（日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。）で日本に住所を有するもの

もともと日本の国籍をもっていたが外国籍にした人があてはまります。

9日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの

出生地主義を採用している国の国籍を持つ両親により、日本で生まれた子どもが当てはまります。ここでは５年→３年に居住要件が緩和されています。

普通帰化、簡易帰化の違いをまとめた記事を今回作成いたしました。この記事が参考なっていただければ幸いです。